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電子出版ビジネスの「今」と「これから」

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 ■聴講・見学レポートをお送りいたします。
                               2016.8.17
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 残暑お見舞い申し上げます。エディットの伊藤隆です。
 一斉メールにて失礼いたします。

 お盆休みはいかがお過ごしになられましたでしょうか。
 長い休みのあとは,なかなかお仕事モードには戻りづらいですよね。

 そんな中で恐縮ですが,7月14日には「2016年度・第3回・AJEC編集
 講座」を聴講し,8月4日・8月5日には「関西教育ICT展」を見学しました
 ので,「聴講・見学レポート」としてまとめております。よろしければ,ご
 一読いただけますと幸いです。

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 ●「2016年度・第3回・AJEC編集講座」
  電子出版ビジネスの「今」と「これから」 〜破壊ではなく創造へ〜
  講師:林 智彦(はやし ともひこ)氏(朝日新聞社デジタル本部)
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 林さんは軽妙な語り口と,デジタル本部におられることもあってか,充実し
 たスライド画面を縦横無尽に駆使されて,「電子出版ビジネス」におけるマ
 クロな視点,ミクロな視点の両面で,前向きな問題提起をされました。

 この講座を聴講する前の日に,とある読書家の方と話していて,「このごろ
 リアル書店に行かなくなりました」と言われたことが強く頭の中に残ってい
 ました。アマゾンなどのネット書店の台頭により,リアル書店に出向く必要
 性を感じなくなったというのです。

 ・「リアル書店」と「ネット書店」
 ・「電子書籍」と「紙媒体による書籍・雑誌」

 それぞれを,対立するものととるか,それぞれを補完しあうものととるか,
 考え方が分かれるところです。


 今回の林さんの講座のキーワードは,
 【デジタル・ディスラプション(Digital-Disruption)】
 です。

 直訳すると「デジタル破壊」となります。

 林さんはこのキーワードを,「新しいデジタルテクノロジーやビジネスモデ
 ルが既存の財やサービスの価値提案を変化させること」と解釈されました。


 発売開始で話題の「Kindle Unlimited(キンドル・アンリミテッド)」は,
 月額980円で,コミックを含む和書12万冊以上から読み放題というサービ
 スです。人気の漫画は,サービスの一環として一巻目は無料で,それ以降は
 有料という条件がつくものの,例えば,光文社が「罪と罰」や「カラマーゾ
 フの兄弟」を読み放題で読めるようにするなど,リアル書店だけでは埋没し
 かねない書籍に脚光を浴びせ,読者への「興味の導線」ができることに期待
 が寄せられています。

 他方で,アマゾンなどのインターネットによる書籍購入の手段が勢力を強く
 するなかで,リアル書店の在り方が問われています。

 また,電子書籍の拡大によって,紙媒体による書籍・雑誌の販売の在り方が
 問われています。

 林さんのお話は,今後のリアル書店の在り方,紙媒体の書籍・雑誌の在り方
 において,「ディスラプション」できる力を持つことが重要で,これからの
 編集者に必要とされることだと言われます。

 紙媒体の教材制作中心の,編集プロダクションにいる私からすると,どうし
 ても「デジタル」か「アナログ」かという対立概念で考えてしまいますが,
 そもそもそれらは対立するものではなく,共存し役割分担し補完しあうもの
 かもしれないと,この講座を聴講して思うようになりました。

 ・「ネット書店の台頭が,リアル書店の衰退の原因になる」
 ・「電子書籍の台頭が,紙媒体の書籍・雑誌の衰退の原因になる」
 と,まことしやかに語られていますが,本当にそうなのでしょうか。

 過去の成功体験から現状を検証するのではなく,ほかの業界のやり方(例え
 ば定価の在り方について「レベニュー・マネジメント」を参考にする)を視野
 に入れて仮説を立て,林さんの言われる「ディスプラー(創造者)」になるこ
 とが大切であるというお話は,とても刺激的なものでした。

 なお,当日スライドで示されたレジュメデータは,下記にアップされており
 ます。150枚に及ぶ充実したものとなっています。よろしければご覧になって
 ください。
 http://www.ajec.or.jp/2016kouza03/


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 ●「第1回関西教育ICT展」を見学しました。

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 8月4日,5日とインテックス大阪で催された「第1回関西教育ICT展」を見
 学いたしました。猛暑の中ではありましたが,たくさんの来場者で会場をに
 ぎわせておりました。

 約100社ほどのブースには,教育用ソフトコンテンツ,ICT機器,授業支援
 システム,eラーニングなどのテーマをもとにした展示・プレゼンテーション
 が繰り広げられておりました。

 また,会場内には4つのセミナールームが設置され,休むことなく次から次
 に様々なテーマのセミナーが催されていました。

 今回特に感じたのは,会社間のつながりによって,新しい提案を試みている
 会社があったことでした。インフラを整える会社とコンテンツを整える会社
 の協同企画を提案される事例は,上記の朝日新聞社・林さんのセミナーにも
 ありました「デジタルディスラプション」のあらわれではないかと思いまし
 た。

 詳しくは,下記をご確認いただければ幸いです。
 http://kyouikuict.jp/

(文責:名古屋本社・企画ソリューション部 伊藤隆)