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「聞く」技術〜取材対象から,確実に本音を聞き出すには〜

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■聴講レポートをお送りいたします。
                            2016.12.27
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12月も半ばを過ぎました。師走の街の様子と厳しい寒さがどことなく落ち着
かない気持ちにさせます。お元気でいらっしゃいますでしょうか。

エディットの伊藤隆です。一斉メールにて失礼いたします。

今回は,エディットの【年末年始の休業のお知らせ】と,11月17日に聴講し
ました日本編集制作協会(AJEC)主催の,第5回編集教室の聴講レポートをお
送りさせていただきます。

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●AJEC第5回編集教室(11月17日木曜日18時半〜20時)
「聞く」技術〜取材対象から,確実に本音を聞き出すには〜
株式会社文藝春秋『CREA』編集部デスク 井崎彩(いざき・あや)氏
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受講者の一員のようなたたずまいで登壇された井崎さんは,スクープを連発
される『週刊文春』のデスクを経て,今年の7月から女性誌『CREA』編集部に
異動されました。

≪文春砲≫≪センスプ≫などの流行語で話題を作りあげた『週刊文春』は,
読者の多くは,30〜40代の女性だといいます。ほかの週刊誌が男性読者が多
いなかで,ほかとは違う『週刊文春』らしさを丁寧に語られました。

記事を書く上で大切にしていることを《人間に興味をもつこと》とされた点
に,私は感銘を受けました。

講座の最後あたりで,受講者からの質問に対する井崎さんの答えがとても面
白く感じました。

質問:「記者として取材するときは,アドリブとシミュレーション(事前準
備)では,どちらが多いですか?」

回答:「事前に,取材相手のことを丁寧に調べ,なおかつどのような質問を
投げかけるかをじっくり考えていきますが,いざその場になったときにはす
べて忘れて,まずは相手の動きや反応を見て対応していくことが多いと思い
ます。」

井崎さんの言われる《人間に興味をもつこと》を,取材対象と対面するとき
にも発揮する。それは,準備段階ではつまびらかに想定できない《温もりの
ようなもの》を受け止めること。この心構えは,私の「なんとなく理解して
いたこと」を言語化してくださったようでした。

ほかに,井崎さんが言われた大切なことをいくつか列挙いたします。

・ネットと雑誌の両立が大切。インタビューのためのムービーを記者がまわ
すことで,「立派でなく面白い」情報を提供できた。

・取材は,インターフォン越しのやり取りで終わらない。玄関の扉を開けて
もらえる質問を考えられるかどうか。

・取材を断られてからが,記者の本領発揮。人を口説く力がどれだけあるか
どうか。

・デスクは人の使い方が問われる。それぞれの人の好さを見抜けるかどうか。

・記者は頭の切り替えが大切。突然進行中の取材がなしになっても,平気で
いられるかどうか。

・記者は,読者に「この人に情報提供してもいいな」と思われる雰囲気を作
りたい。

・緊張感を相手に抱かせないコツは,「質問項目があるけど」質問しないこ
と。相手から出てきた言葉に素直に反応すること。

・なめられやすいことも芸のうち。「立派・すごい」と見せないことで,話
しかけられやすくなる。

・『週刊文春』は,神様ではない。リアルな人間に興味がある。「なぜこん
なことをこの人はしたのか」を記事として書くようにしている。

・雑誌の企画は,自分の経験したことを大いに反映できる。出産と子育てが,
記事に味わいを加えることができた。

あたかも,受講者が友達であるような話し方をされる井崎さんは,講演会場
でも《人間に興味をもつこと》を忘れていらっしゃいませんでした。

(文責:名古屋本社 伊藤隆)