編集プロダクション エディット|教材編集・資格書編集・一般書編集

第1章 編集者ってどんな職業?

7.子どもの夢をさぐる童話・絵本づくり

時代のテーマを子どもたちに伝える
童話・絵本の編集者
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仕事のスタイルは「単行本の編集者」と変わらない。独自性があるとしたら,子どもたちへの思いだ。次の時代を担う子どもたちに何を伝えていけばよいのか。歳をとればその思いは強くなる。個は滅びるが,種は残る。この仕事は文字のなかった時代から「伝承」「昔話」の形で連綿と続いている。部族の長老が子どもたちを集めて森や湖の恵みを精霊の話として伝える。おじいさんやおばあさんが囲炉裏を囲んだ孫たちにこの世に生きる知恵やルールををキツネやタヌキの物語としておもしろおかしく語る。人類の普遍的な任務といえる。

それを一つの寓話として文字や絵で表したものが童話となり絵本となった。これらの名作おとぎ話は数限りなくある。君たちもそのいくつかの恩恵にあずかって成長した。しかし,時代はいつも新しいテーマを作り出す。戦争,貧困,差別,いじめ,暴力,不信,孤独,錯乱,家族,不況,汚染,隔離,環境,福祉,情報,国際化。これらの問題を子どもたちにどう伝えていけばよいのか。童話や絵本づくりは,本来は子どもたちに夢を伝える仕事である。いまは苦しい時代だ。児童文学の世界はいまこそ「真の編集者」を必要としている。