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エディットお役立ちレポート

2021-1-28

オンライン講座「編集制作工程と編集者の役割」

講師:藤本 隆(ふじもと たかし)氏  プランディット 編集事業部 編集長

【講師略歴】
ベネッセグループの編集専門会社にて編集業務に長年携わる。学習教材をはじめ情報誌、フリーペーパー、教育系タブロイド、資格系教材、広告チラシ、フライヤーなど広範な印刷媒体の企画・制作経験を持ち、原稿、記事の執筆、イラストレーション、DTPデザインもこなす。ベネッセグループ各社向けの育成研修講師を務める。 著書に『印刷発注の基本がわかる本』(日本能率協会マネジメントセンター)。

 AJECの編集教室として、初めてのオンライン講座でした。司会から藤本さんの紹介があり、藤本さんがスライドを見せながら、講演されました。JEPAの講演、超教育協会の講演など、いろいろなオンラインでのセミナーに参加したことがありますが、それらと比べても、1時間半の時間を有効に使い、とても丁寧な説明で分かりやすい講義でした。

 藤本さんの講義はシリーズになっていて、これから一ヶ月おきに設定されています。今回の講義は、その総論としての位置づけのものでした。

 以下、藤本さんの講義の内容を簡単に紹介します。

講義内容

感想

 全体としては、編集者が本をつくるとき、どんな人たちと、どんな仕事をしていくのか、そして、そのとき、どんなことが大切なのかという講義でした。

 講義の最初に話された「印刷と組版の歴史」は、なかなか興味深かったです。

 私は、写植組版が全盛のころに出版社に就職しましたが、一部、活版印刷が残っていて、活字組版から、DTP組版まで経験しました。しかし、もう活字組版も、写植組版も普通には使われていません。そういう意味では、少し懐かしい気がしました。藤本さんから、写植で使う文字盤のスライドを見せてもらったときは、感動しました。昔、知り合いの写植屋さんのところに行って、実際に文字組をしているときの現場を見せてもらいましが、とても細かい仕事で、文字盤の一字一字を拾って、印画紙に焼きつけていく作業は、とても疲れる大変な仕事だなと思ったものです。

 また、①の企画立案から⑥製本までの、各工程については、どんな仕事があり、そこで編集者はどんな人たちと、どのように付き合っているのかが分かりやすく説明されていました。その上で、「編集者に必要なもの」(資質)を下記のようにまとめられていました。

 言われてみれば、当たり前のことのようですが、①企画立案~⑥製本までの各工程のなかで、編集者としての立ち位置を理解すると、「編集者に必要なもの」がより分かりやすく、より切実なものであると感じられました。まだ編集の仕事に就いたばかりの人だけでなく、かなり経験を積んだ人たちも、もう一度、編集者としての仕事の棚卸しをしてみるためにも、いい機会だと思いました。各工程での内容の細部については、今後シリーズとなる藤本さんの編集講座で、詳しい解説がなされる予定になっていますので、とても楽しみです。ちなみに、3月編集講座が「校正記号と校正補助ツール」、5月編集講座が「漢字の歴史と文字コードとフォント」になっています。どちらも、同じ藤本さんの講座です。藤本さん自身が,私たちと同じ編集プロダクションの編集者でもあり、より具体的な話が聞けそうです。

 今回は、特に本づくりということに焦点を絞った講義でしたが、読者に手に取ってもらえるようにするためにどうしたらよいか、紙の本の社会的役割や未来についてなどは、また、別の講師の講義もあるようなので、そちらも楽しみです。最後に、ひとつAJECに注文があります。これは、Zoomでのセミナーなので、おそらくセミナーの録画がなされていると思います。夕方の6時から7時半というのは、自宅で見る人たちには、食事時にあたり、時間的に見るのが困難な人たちもいるようです。また、退社後の帰宅途中という場合もありそうです。そのためにも、Webセミナーの録画の活用ができればいいと思いました。

 今回が初めてのWebセミナーでしたが、とてもよかったと思われますので、AJECでの今後の対応を期待しています。