エディット通信(2023年霜月号)
皆さまへ
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エディットのメルマガ「エディット通信」(2023年霜月号)をお送りします。
■『小学生がたった1日で19×19までかんぺきに暗算できる本』大ヒットの秘密」を聴講して
□東京オフィス移転のお知らせ
発売から8か月で50万部以上を売り上げた『小学生がたった1日で19×19までかんぺきに暗算できる本』に関する吉田さんのお話で、興味を持ったことを3点紹介いたします。
大ヒットの秘密にまつわる内容も含まれております。
ご一読いただければ嬉しい限りです。
●AJECオンライン10月編集講座●
・テーマ:『小学生がたった1日で19×19までかんぺきに暗算できる本』大ヒットの秘密
・講師:吉田 瑞希(よしだ・みずき)氏
(ダイヤモンド社書籍編集局・第一編集部所属)
・日時:2023年10月31日(火)18:00~19:30(90分)
私が吉田さんのお話で興味を持ったお話の1つめは、吉田さんの立案する企画はいつも自分に関係することから出発している点です。
担当された『すごい左利きの本』は、左利きの吉田さんが感じる《気になること》《疑問》をもとに、徹底的に自分のために作った企画だったので、初期段階の企画書は、解像度の高い内容になったそうです。
読者(左利きは10人に1人)が限られた内容ではあったけれど、左利きの悩みを解決してくれる本がなかったので、強く推し進めることができました。
「左利きのままでよい」「左利きにもこんな素晴らしいことがある」という自己肯定感を芽生えさせてくれる本に仕上がったことが、15万部の売上につながったのではないかと吉田さんは分析されます。
2つめは、ターゲットの幅を広げず、明確な読者像をもつことの重要性についてでした。「19×19」本は、小学校3年生の子供が計算を学ぶことをメインにしたものです。
この読者ターゲットとなる小学3年生が、「19×19」までの計算につまづかないようなスモールステップの構成とし、できる実感をもたせることに絞り込んだ《子どもファーストの本づくり》を目指しました。
その結果、8か月で50万部のベストセラーになりました。
当初、重版になったとき、「話題書コーナー」に新たな展開をしたことが一つの転機にはなったのですが、その後届く読者カードを見ると、60歳以上の読者が多いことがわかりました。
全体の4割が60歳以上とのことで、予想外の需要ターゲットの発掘となりました。
その見立てを、「小学生ができるから自分もできるかなと思って買ったのでは?」「自己肯定感が上がるかなと思って買ったのでは?」と分析されました。
ターゲットを最初から広げてしまうと、上記のような読者の広がりは見込めなかったのではないか、と振り返られます。
絞り込んだターゲットへの深掘りによって、読者からの反響が生まれ、口コミが発生し、売り上げが伸びたことを、再現性のある方法論として提示されました。
3つめは、書店営業の経験で裏打ちされた企画づくりの大切さについてです。
小学生の頃から編集者になりたいと考えていた吉田さん。
ダイヤモンド社に就職されて最初に書店営業の経験をされ、そのときの経験が編集者としての土台となりました。
また、書店に出向くとインターネットで見るよりも得られる情報の切り口が多く、日ごろ企画を立てるときに抱く疑問を解決できると言われていました。
たとえば、書店に出向いて「19×19」本をどこに陳列すると効果的かを考えるとき、
・ドリルはシリーズものが多いので、新規参入が厳しい。
・単発本として発売し、最終的には著者コーナーに並ぶようにするのがベスト。
などと答えが出ます。
そして、カバーに盛り込む文言として、「シリーズ累計」でなく「著者累計」部数を表紙に打ち出すことで、「小杉先生コーナー」に置かれても引き立つのではないか、と仮説を立て実践されました。
また、書店でドリルがどんなふうに陳列されるかをイメージするとき、学習参考書はビジネス書に比べ、陳列スペースが狭く、点数が多いことから、「面」でなく「背」で伝えたいことを見せる必要性がある、と答えが出ます。
タイトルの《誰がどうする》にあたる「小学生がたった1日で」を背表紙ではっきり謳うことが、読者へのインパクトを強めることになるのでは、と仮説を立て実践されました。
書店営業時代の、書店販売員との会話で気づいたことがフックとなって、書店の観察から考えた仮説を実践したことも、『小学生がたった1日で19×19までかんぺきに暗算できる本』が短期間でベストセラーになった理由のひとつではないかと思いました。
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今回もエディット・東京オフィスの塚本鈴夫が、この編集講座のレポートを作成しております。
合わせてご覧いただければ幸いです。
https://www.edit-jp.com/report/20231031/
□エディット東京オフィス移転のお知らせ
エディット東京オフィスは、10月2日より新オフィスに移転いたしました。
【新住所】
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飯田橋スクエアビル6階A号室
https://www.edit-jp.com/access/#tokyo-map
※1階が郵便局になっております。
【電話番号】03-5225-0981(変更ございません)
【FAX番号】03-3266-5072(変更ございません)
飯田橋駅より徒歩3分ほどのところにあり、アクセス
もさらに良くなりますので、お近くにお越しの際には
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