エディット通信(2022年 晩夏号)
■AJEC(日本編集制作協会)編集講座 「105万部の超ベストセラーはどのようにして生まれたのか」
〇エディット夏季休業のお知らせ(8月11日~15日まで)
皆さまへ
いつもたいへんお世話になっています。
エディットのメルマガ「エディット通信」(2022年晩夏号)をお送りします。
内容は、7月21日(木)開催のAJEC(日本編集制作協会)オンライン編集講座の聴講レポートとエディット夏季休業のお知らせです。
このメールは,エディットの社員が名刺交換またはイベント等で名刺をいただいた方に配信しております。
ご不要の場合は,お手数ですが,メールにてご一報ください。
■AJEC(日本編集制作協会)編集講座 「105万部の超ベストセラーはどのようにして生まれたのか」
出版不況のなかで,編集者のだれもが,ベストセラーを生み出すた めにはどうしたらよいか,考え続けられていると思います。
『人は話し方が9割』(永松茂久著・すばる社刊)は2019年の発売以来,版を重ね,105万部という驚異的な数字を生み出していますが,その秘密は何なのかについて,この書籍の編集者・越智秀樹氏よりうかがうことができました。
この講座は,メンタル編とスキル編という2部構成でした。
メンタル編は,『人は話し方が9割』の著者・永松茂久さんとのエピソードを交えた,編集者としての心構えについての解説でした。
書籍の企画は,頭で考えたものよりも,著者と親しくなって,いろんな話し合いの中で,ふとした会話の中から出たエピソードやコアメッセージをもとに組み立てたものに魅力があるとのことでした。
越智さんは,≪著者と深く付き合うこと≫の重要性を説かれます。
・仕事とは関係なく,この人と付き合いたいと思う著者を見つけること。
・自分の悩みや疑問をぶつけて,裸の自分をさらけ出すこと。
・食事を一緒にし,≪素の著者を知る≫絶好のチャンスをものにすること。
これらを実践し,著者の人柄を深く知ることで,本当はこの著者のこの著書で,どんなことを言いたいのか(著者さえも意識していないこともある)を知ることができるのだと言われます。
越智氏は永松さんと親しくなって,自身が普段悩んでいることをぶつけられました。
たとえば,
「エレベーターで苦手な上司と二人きりになったとき,何を話しますか?」と聞くと,「何も話さなくてもいいのでは?」と永松さんは言われたそうです。
そういう会話を永松さんと繰り返すうちに,「会話がうまくなる方法」のことが話題になり,永松さんが考える「人との話し方」は≪苦手な人との会話を避けて,大好きな人と話す時間を増やすこと≫なのだと,越智氏は認識されました。
これが,『人は話し方が9割』のコアメッセージになりました。
永松さんは,もともと自己啓発系の著者でしたから,「話し方」関連の本をご自身で企画しようとはされませんでした。
しかし,越智氏は,永松さんとの日ごろの会話から,永松さんのコアメッセージをすくい出されました。
越智さんの,≪話し方の本をぜひ作りたい≫という働きかけこそが,編集者としての醍醐味であったに違いないと思いました。
スキル編では,
・タイトルには型がある。
・「はじめに」にも型がある。
と言われました。
「はじめに」には,
・この本はどんな内容か?
・この著者はどんな人か?
・なぜこの著者がこのテーマで書いたのか?
・読むと,読者にどんなメリットがあるのか?
がまとめられており,著者と読者との橋渡しの役割を果たすものではないかと言われていました。
売れている本の「はじめに」を手書きしたり,音読したりすると,「はじめに」を編集するうえで,とても効果があることを教わりました。
最後に,ミリオンセラーを出すには二つのことが大事だと言われました。
・強い思いを持ち続けること
・「優れたもの」をつくるのではなく「誰でも読めて役立つもの」をつくること
2つともシンプルなようで,とても難しいことではありますが,編集者の在り方として,肝に銘じたいと思いました。
著者から≪可愛がられる存在≫であることが,編集者として大切なことだと言われる越智さんは、関西弁まじりの人懐っこい話しぶりで,好感を持つことのできる方でした。
とても実のある1時間半の講演でした。
今回もエディット・東京オフィスの塚本鈴夫が,この編集講座のレポートを作成しております。
合わせてご覧いただければ幸いです。
〇エディット夏季休業のお知らせ(8月11日~15日まで)
エディットは,8月11日(木曜)から15日(月曜)まで,夏季のお休みを頂戴いたします。
その間に業務のやり取りが必要な場合には,恐れ入りますが,担当者にご連絡いただき、日程等のご確認をいただけますと幸いです。
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