6月も下旬に差し掛かろうとしております。歩道を歩くたびに,路傍のくちなしの花の香りに気持ちの和らぐ今日この頃です。いかがお過ごしでしょうか。
第9回「教育ITソリューションEXPO」は,5月16日から18日まで東京ビッグサイト西ホールにて開催されました。
前号に続きまして,「教育ITソリューションEXPO」の特別講演の聴講レポートをお送りします。「入試改革・高大接続改革」について,新しい知識を吸収するつもりでまとめております。
よろしければ,ご一読いただけますと幸いです。
ご存知のように「大学入学共通テスト」の第1回が2021年1月に実施されます。
方針は明確に打ち出されていますが,テストの内容のあり方,採点のあり方,合格基準の公平性の有無など,さまざまな問題について,現在進行形で議論・検証されています。
昨年11月には国語・数学,今年の2月には英語の試行調査(プレテスト)がありました。それぞれの試行調査の,記述問題のあり方,問題内容の提示方法などを具体的に目にすることができます。
また,試行調査の結果から浮かび上がった問題点や分析結果が大学入試センターより開示されていて,参考になります。
今年の11月には,約10万人が受検予定の試行調査が行われる予定です。詳しい情報は
http://www.dnc.ac.jp/news/20180618-01.html
山本廣基氏のお話では,第1回の「大学入試共通テスト」の制作が,およそ2年にわたって行われる予定で,その試行調査(プレテスト)の結果からあぶりだされた問題点について,改善した内容が具体化されるものとみられています。
山本氏のお話を聴講したときから1か月が経過し,さらに新たな情報が開示されています。下記のアドレスにて,最新情報を確認することができます。
今回の講演を聴講して,3つの感想をもちました。
第一に,記述問題と採点のあり方についてです。まずもって,しかるべき学力を測定できる記述問題の追求を大学入試センターに期待します。そして,採点の公平性を維持し,迅速に処理・対応する仕組みの構築についても期待します。
第二に,求められる教師像と学校運営についてです。入試が改革するということは,高等学校で学ぶ内容も大きく変わるということです。生徒だけでなく教師も,否応なしに変化の渦に入り込むことになるということです。
主体的・対話的で深い学びをするための指導力をもつ先生方の育成と,各教科の知識を相互に利用して学べるための学校運営が求められています。
第三に,大学の改革についてです。新たな入学試験で合格を果たした学生を受け入れる,大学側の改革も迫られています。大学改革の一環として,平成29年4月より,各大学の「3つの方針」の策定と公開が義務づけられました。3つのうちの1つ「アドミッションポリシー(入学者受入れの方針)」に明記された,入学希望者に期待する学力観に注目したいと思います。
各大学がどのような学生を求めているかを知ることは,今後の社会に必要とされる人材像にもつながっているのではないでしょうか。
講演の最後に,山本氏より,学校教育法83条第2項
「大学は,その目的を実現するための教育研究を行い,その成果を広く社会に提 供することにより,社会の発展に寄与するものとする」
を取り上げられ,大学の意義について強調されていました。
高大接続改革は進行中です。日々の最新情報に注目していきたいと思います。
下記ページは,最新情報の確認に役立ちます。