今回は,岐阜の塾教材展示会「教育フェアぎふ2019」にて行われました教育講演会「英語教育改革の実現に向けて」の聴講報告です。
講師は,文部科学省の小野賢志氏でした。新学習指導要領について,新しい英語教育について,わかりやすく説明されました。
よろしければ,ご一読いただけますと幸いです。
お話いただいた内容の概要は,次のとおりです。
私がいちばん興味深く拝聴したのは,「3)新学習指導要領のポイント」についてでした。
これからの英語教育は,国境を越えた人,物,情報の移動が加速するSociety5.0の時代にあって,外国語によるコミュニケーション能力が,一部の業種や職種だけでなく,生涯にわたって,さまざまな場面で必要とされることが前提であることを強調されました。
かつて,学習指導要領においては,「何をどれだけ学ぶのか」というところに議論が集中しましたが,今回の「新学習指導要領」は,
の3つの観点で改訂が行われました。
自分が何のために英語を学ぶのかという目標がはっきりすれば,「主体的な学び→対話的な学び→深い学び」というPDCAサイクルが活発に循環し,生きて働く知識・技能の習得や,新しい時代に求められる資質・能力の育成が促されるであろうと言われています。
小野氏は具体例として,
「『ごちそうさまでした』を英語に訳せますか」という質問は愚問です。」
と言われました。
などによって,英語表現の仕方が変化してくるので,知識を断片的に問う英作文は,深い学びに直結しないため「愚問」と言われています。
我々,教材編集プロダクションにも深く関わる,大学入試改革の一環となる「全国学力状況調査」(今年4月に英語も実施),「高校生のための学びの基礎診断」(今年4月より実施)の内容から,小野氏からのメッセージを読み取っていきたいと考えます。
また,学習指導要領の「目標」には,エッセンスが詰め込まれているので,「教育に関係される方はぜひ読んでもらいたいです」と小野氏は強調されていたので,いま一度熟読したいと考えています。
文部科学省は,新学習指導要領を踏まえた授業改善に向けて,各種コンテンツを準備しています。下記の各コンテンツを,ご参考になさってください。