9月に行われた日本編集制作協会主催の編集教室で聴講した『ざんねんないきもの事典』等の編集者・金井弓子さんのお話を,二回目となりますが,まとめさせていただきました。 金井弓子さんのお話された内容が,編集者にとって,とても役立つのではないかと感銘を受けましたので,再度「聴講レポート」としてまとめさせていただいたしだいです。 ご一読いただけますと幸いです。
『ざんねんないきもの事典』(125万部),『わけあって絶滅しました。』(シリーズ60万部),『やばい日本史』,『やばい世界史』(シリーズ36万部)と,売れる企画を打ち出し続ける金井さんの,考え方・実践例を二つほど紹介させていただきます。
「売れている本をまねしてもパッとしない理由」は,次の3つと言われます。
では,どうすればよいか,次のように話されました。
『深海生物大百科』という他社の売れた書籍をもとに,『猛毒生物大図鑑』という書籍を企画されました。
※その結果,『猛毒生物大図鑑』は爆発的に売れたそうです。
金井さんは,「企画段階で書名を決めると,軸が決まる」と言われます。
◎『わけあって絶滅しました。』が形になる前の自問自答
このように,金井さんなりに自問自答を繰り返した後,イメージをラフに起こされたと言われます。
ラフを書きながら,
等の工夫を打ち出して,いちばんコンセプトが際立つレイアウトを,模索されていったとのことでした。
金井さんは,
「本は編集者のものではないけれど,編集者の味は出してもいいのかも。」
「編集者として,自分がどんな要素を提供できるかを考えてみると,面白い視点が生まれてくるかもしれない。」
と言われ,深く納得したしだいです。
よく,子供に勉強を教えるとき,「魚を釣って与えるのではなく,魚の釣り方を伝授することが大事」と言われます。編集者が自立して力強く前進するための《魚の釣り方》を金井弓子さんより教わったように思います。
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