皆さまへ
いつもたいへんお世話になっています。
エディットのメルマガ「エディット通信」(2022年師走号)をお送りします。
今回は,AJEC11月編集講座(11/24)のレポートです。
よろしければ,ご一読いただけますと幸いです。
このメールは,エディットの社員が名刺交換またはイベント等で名刺をいただいた方に配信しております。
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2022年度の藤本隆氏の講座は3回めとなります。
紙からWebへの情報伝達の手法の移行が進み,編集制作のあり方も変化してきました。
変化に対応するためには,旧来の校正のあり方とこれからの校正のあり方を比較し,どの部分でAI校正を駆使し,どの部分は人間による校正を行えばよいのか,その役割分担を考え直す必要があります。
今回の講座では,AI校正のメリット・デメリットを知ることができ,今後の校正のあり方を検討するよい機会となりました。
印刷と組版の歴史を大きくとらえると,
「物理的な手作業」→「光学的な手作業」→「デジタルデータを駆使した作業」と変遷してきました。
2000年代より,いままでとは比べようもない量・種類のデジタルデータコンテンツの流通と活用が行われています。
そんな大変革の起爆剤となる存在は「AI」です。
AIとは,Artificial Intelligenceの略で,コンピュータに実装されたプログラムとデータでできた人工知能のことです。
現在は,機械学習(ディープラーニング)を使ったAIが活躍しています。
AIはまず,大量データの機械学習(ディープラーニング)を通して,ルールを発見し,自分で判断できるようになります。
アルゴリズムによる解析が繰り返され,プログラム(モデル)を精緻化するように,学習し続けます。
この工程を「学習プロセス」といいます。
その後,学習プロセスから生成されたモデルを参照して,新たなデータを投入後,解析されるプロセスを「推論プロセス」といいます。
下記の記事にわかりやすくまとめられています。
●「『学習』と『推論』――機械学習の2つのプロセス」
https://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/1901/04/news009.html
ところで,編集者としては,「誤変換・同音異義語の使い誤り・助詞の使い方の誤り」を,自動的にチェックしてくれる機能に期待したいところです。
これらの機能を支えるのがAIによる「自然言語処理」と言われるもののようです。
人間が日常的に使っている自然言語をコンピュータに処理させる一連の内容です。
自然言語処理のなかで,自然言語の文章を構造化し,大規模に集積したものを「コーパス」といいます。
(コーパスとは,単語の百科事典のようなもので,自然言語が辞書化されたものと捉えるとわかりやすいかもしれません。)
自然言語処理の技術として,形態素解析(文を最小単位に分割する技術)や構造解析(トークン相互の係り受けや句構造を解析する技術)があります。
たとえば,「 結果 は 弊社 ホームべース で 発表 します。」という一文の場合,
コーパスを参照したり,モデルを参照したりして,この一文をチェックします。
モデル参照によって,「ホームベース」ではなく「ホームページ」が正しいのではないかと推定されます。
藤本氏より,「AI校正の実際」としてまとめられたところが重要だと認識しました。
AI校正の標準形は,「AI自然言語解析による校正に加え,正誤事典を使ったルールベースの判定プログラムによる校正を併用する」ものだそうです。
「AI自然言語解析による校正【以降「AI」という】」と「ルールベースの判定プログラムによる校正【以降「ルールベース」という】」 のメリットとデメリットの説明がわかりやすかったので,紹介いたします。
「AI」のメリットは,ルール化しづらい表現への対応ができる点です。
たとえば,「文章の正しさ」「助詞や係り受けの確認」「同音異義語や同訓異字の確認」に力を発揮できるとのことです。
デメリットは,確率論的アプローチであるため,精度が100%にはならない点です。
背景としては,機械学習させる際に投入するデータの精度次第であることが考えられます。
「ルールベース」のメリットは,ルールに沿った確実な指摘ができることです。
たとえば,表記統一をルールとして反映させると,統一もれを指摘してくれます。
デメリットは,文章にはルール化しづらい表現が多くあるので,ルールメンテナンスの手間がかかるところです。
前提となるルール(正誤事典)の精度に左右されてしまうところを理解しておく必要があります。
これらのAI校正のメリット・デメリットを理解することで,編集者がどの部分を利用し,どの部分の校正に注意を払わなければならな
いのかが見えてきます。
AI校正との向き合い方のヒントになる講座でした。
今回もエディット・東京オフィスの塚本鈴夫が,この編集講座のレポートを作成しております。
合わせてご覧いただければ幸いです。
<<< https://www.edit-jp.com/report/2022-1124.html
■エディットのお薦め記事・お薦めサイト・エディット各種サイト
【エディットお薦め記事】
●AI文章校正ツール「Al editor」
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他大学の事例も紹介
●2022年4月に実施した全国学力・学習状況調査の結果から作成した「1人1台端末の利活用状況について」
【エディットお薦めサイト】
〇日本文藝家協会
〇日本図書教材協会・全国図書教材協議会
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〇毎日ことば
〇日本編集制作協会
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