エディット通信(2022年 歳末号)
■ AJEC(日本編集制作協会)10月編集講座「息の長いロングセラー本が,のちのちベストセラーになる」を聴講して
■エディット/年末年始の休業日につきまして
皆さまへ
いつもたいへんお世話になっています。
エディットのメルマガ「エディット通信」(2022年歳末号)をお送りします。
今年最後の「エディット通信」になります。
皆さま,良いお年をお迎えください。
このメールは,エディットの社員が名刺交換またはイベント等で名刺をいただいた方に配信しております。
ご不要の場合は,お手数ですが,メールにてご一報ください。
■ AJEC(日本編集制作協会)10月編集講座「息の長いロングセラー本が,のちのちベストセラーになる」を聴講して
2か月ほど前の編集講座となりますが, 「息の長いロングセラー本が,のちのちベストセラーになる」を聴講したレポートをお送りい たします。
『講師のSBクリエイティブの鯨岡純一氏は,累計44万部(2022年10月現在)突破の 『一度読んだら忘れない世界史の教科書』の担当編集 者です。
本書は,2018年に出版して,実質毎月10,000部の重版が続く異例のロングセラー本となりました。
編集者として13年目に出したこの本が,10万部を超えるベストセラーを打ち出されたとのことです。
そこに行き着くまでの心境も話され,ベストセラーを出すことは並大抵のことではないと思いました。
私が聴講して参考になったこと,心を動かされたことをまとめました。
ご一読いただけますと幸いです。
後に『一度読んだら忘れない世界史の教科書』がロングセラーになるフックとなる「表紙やタイトル」にまつわるエピソードを面白く 聴くことができました。
表紙は,複数案のうち,社内アンケートで「それっぽい」デザインのものに票が集まったそうです。
「それっぽい」というのは,いかにも世界史の本と読者にわかるものです。
しかし,鯨岡さんが決めた表紙デザインは,社内アンケートで不評だった「それっぽくない」ものでした。
この本のコンセプトとして「それっぽくない」案をこの本の特徴にしようとされたのです。
タイトルについては『◯◯◯◯◯世界史の教科書』として,◯の部分をどうするかを検討している際,「あらすじでわかる」「一つの ストーリーでわかる」「年号を使わない」などと,いくつも案を考えましたが,どれもしっくりこないと感じられました。
タイトルを考えるために,類書のAmazonレビュー,書評サイトのコメントをチェックすると,はじめのうちは,読者コメントの感想に 注目していましたが,次第に「なぜこの本を買おうと思ったのか」という読者とその本との接点に注目されるようになりました。
そして「この学び直し本を求める読者に刺さるキーワードは何か?」 と考えます。
世界史は暗記することが多い教科なので,《読んでも理解できない》 心理的な壁を切り崩す言葉が必要では? と考えます。
ならば《読んだら忘れない》を謳えば,手に取ってもらえるかもしれないと考えます。
そして『一度読んだら忘れない世界史の教科書』と決められました。
鯨岡さんが考える「ロングセラーを支えるもの」は,制作時にSNS上で口コミによる拡散を仕掛けることです。
口コミを自然発生的に生まれるものとせず,口コミが増えるための努力をされてきました。
冒頭で「実質毎月10,000部の重版が続く異例のロングセラー本」と記しましたが,その秘密は以下の鯨岡さんの工夫によるものではな いでしょうか。
●この本の「はじめに」で,口コミの材料をちりばめる。
・スマホのカメラで撮れる図版を作って,TwitterやSNSへのアップに誘導。
・イラスト・あきさせない図解・わかりやすい表記を心がけた。
●人に言いたくなる口コミの言葉をつくる。
・鯨岡さんが子供の頃に遊んだテレビゲーム(ドラゴンクエスト4)の展開を意識した。
→「はじめに」で《本書の展開は,前半は複数の主人公がばらばらにストーリーを進めていくが,後半では主役が集合して一つの物語 を作っていくもの》である旨記した。
※読者から「ドラクエ4みたい」というコメントを4~5箇所見つけることができて嬉しかった。
「ロングセラーとベストセラー,それぞれの生まれやすいテーマや市場」
「パブラインの売上データの見方」
についても,興味深いお話をうかがえ,たいへん刺激を受けました。
ロングセラーになるためには,運頼みではなく,周到な準備と日頃の努力による仕掛けがものを言うことを学ぶことができました。
今回もエディット・東京オフィスの塚本鈴夫が,この編集講座のレポートを作成しております。
合わせてご覧いただければ幸いです。
https://www.edit-jp.com/report/2022-1020.html
〇エディット/年末年始の休業日につきまして
エディットは,12月29日(木)~来年1月4日(水)まで,年末年始のお休みをいただきます。
その間, 業務上のやり取りが必要になる場合は,あらかじめ担当にご確認いただければと存じます。
■エディットのお薦め記事・お薦めサイト・エディット各種サイト
【エディットお薦め記事】
●令和版“作家への道”SNSやユーチューブが入り口に
●世界史は年号でなく“物語”で覚える!学び直しにも適した画期的な教科書
●校正は「人との付き合い方」と同じ。
●実人生に基づいた真摯な思索
●「灘高→東大→講談社という経歴こそが,自分で人生を選んでこなかった証明だ」ってどういうことですか?
●文は人なり。文章が上手くなれば人を喜ばせ,自分の人格も整ってきます。
【エディットお薦めサイト】
〇日本文藝家協会
〇日本図書教材協会・全国図書教材協議会
〇教科書協会
〇毎日ことば
〇日本編集制作協会
【エディット各種サイト】
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