エディット通信(2023年新緑号)

■ AJECオンライン編集講座(2023年03月)を聴講して
  「これからの時代と編集者-ヒット作品を作り続ける秘訣」

皆さまへ

いつもたいへんお世話になっています。
エディットのメルマガ「エディット通信」(2023年新緑号)をお送りいたします。
このメールは、エディットの社員が名刺交換またはイベント等で名刺をいただいた方に配信しております。

先日お送りした塚本鈴夫からのレポートに取り上げた、同セミナーの聴講レポートとなりますが、私なりに感じたことをまとめております。
よろしければ、ご一読いただけますと幸いです。

ご不要の場合は、お手数ですが、メールにて、ご一報ください。

 ●AJECオンライン編集講座●         
・テーマ:「これからの時代と編集者-ヒット作品を作り続ける秘訣」
・講  師: 加藤晴之(かとう・はるゆき)氏
           講談社「週刊現代」元編集長/書籍編集者
           加藤企画編集事務所代表
・日  時: 2023年03月23日 (木) 18:30~20:00(90分)

講師の加藤晴之氏は、フランクな語り口でWBCの観戦の感動を語りはじめました。
はじめのうちは、その話はどこにつながっていくのだろうかと思いましたが、次第に、前例にとらわれない人の育成や、前例にとらわれない人の活躍に焦点を当てられていることがわかりました。

講座で何度も出てくる言葉として、「0to1」と「1to100」がありました。
加藤氏の講義での、この言葉の意味あいは、以下の通りです。
・「0to1」とは、いままでの常識にとらわれない視点で新たなものを生み出すこと
・「1to100」とは、今までのやり方をもとにさらに多くのものを作り出すこと
です。

加藤氏は、人工知能に造詣の深い松尾豊氏の
「メディア業界に隕石が落ちた」
という発言を紹介し、 ChatGPTのことを引き合いに出されました。

調べた内容を文章にまとめるという仕事が、ChatGPTにとって代わられるかもしれない。
一方で、ChatGPTが成しえないことのなかに、人間にしかできないことが確かにある。
そこを見極めるきっかけになるのではないか、と言われているようでした。

たとえば、『認知症世界の歩き方』(ライツ社)は、イシューの立て方が素晴らしい、とのことです。
認知症を考えるありがちな思考による企画ではつまらないのですが、この本は、認知症に寄り添った内容になっています。

AMAZONの《著者からのメッセージ》を見ると、
●とにかく、「本人」の視点で認知症を知ることのできる本を目指しました。
●「認知症のある方が生きている世界」を、実際に見られるように
●たとえば、「お風呂を嫌がる」のはどうしてなのか?
●どうしてそんなことするの……? 行動の「理由」を知ることが、本人も介護者もラクにする
●認知症とともに幸せに生きる未来をつくれるようにとありました。

この書籍の担当編集者が、既存のイシューの立て方ではなく、「今まで見えているのに気づかなかった視点」をもとに作られたところに、ChatGPTでは成しえないクリエイティブな要素があった、と加藤氏は言われます。
それを、加藤氏は「0to1」と見立てます。

この「0to1」こそが、これからの時代の編集者に必要な力なのではないか、と問題提起をされます。
(反対に、ChatGPTは「1to100」の役割を担う力強いパートナーとして協働することの重要性も感じ取ることができました。)

《多様性を認める》ことについても熱く語られました。
WBCの試合に熱中したことを語るなかで、栗山監督が当時、日本中から批判にさらされながらも、大谷翔平選手の二刀流を認めたスタンスに共感されています。
斎藤幸平氏に『人新世の「資本論」』を書かせた編集者は素晴らしいとも言われます。

加藤氏は、
「年長者が昔はすごかったと言ってもしょうがない。新しい本を作ることで得られるご縁を大事にしたい」
「講談社勤務時代の若い頃、女性誌や週刊誌で奮闘してきた頃のことが、多様化した今になって活きている」
と言われていました。

印象的だったのは、フランクに話されながらも、敬意を払う人への敬称を忘れないことでした。
「大谷翔平さん」とご自身よりもずいぶん若い世代の人に対しても、「さん」を付けられる姿勢に感銘を受けました。

挑戦を忘れない加藤氏の熱い語り口に、前向きな気持ちになった90分間の講座でした。

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