エディット通信(2024年啓蟄号)

エディット通信 2024年啓蟄号

●AJECオンライン2月編集講座
 「レイアウトとデザインの基礎」を聴講して
〇「編集プロダクションフェア2024」に出展します。

皆さまへ

いつもお世話になっております。
エディットのメルマガ「エディット通信」(2024年啓蟄号)をお送りします。



今回のAJECオンライン2月編集講座のテーマ「レイアウトとデザインの基礎」は、なかなか踏み込めない内容と捉えられる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、藤本氏は「その基礎知識を知ることで、たとえば、読みやすく、内容が正しく伝わりやすい書籍づくりに役立つので、ぜひ仕入れてもらいたいものです」と言われていました。
素読み校正のなかで、なんとなく違和感を覚えるところへの修正指示は、エディトリアルデザインの知識を仕入れることで、磨きがかかるのではないかと思いました。

今回も、気づきの多い内容でした。
よろしければご一読頂けますと幸いです。

●AJECオンライン2月編集講座●
・テーマ: 「レイアウトとデザインの基礎」
・講師:藤本 隆(ふじもと たかし)氏
       (プランディット 編集事業部 編集長)
・日時:2024年2月22日(木)18:00~19:30(90分)


藤本氏からは、レイアウト・デザインの役割として、
「気づく」 ……  読者の視線と注意、興味を引き付けて、誌面に向かわせる役割
「わかる」 ……  見やすく読みやすく、内容が正しく伝わり、理解しやすくする役割
「共感する」 ……  メッセージを伝え、読者の納得と共感を得やすくする役割
「ブランディング」 ……  媒体の立ち位置や背景、方向性を示し、トーンを決定する役割
の4つがあると定義されました。
教材制作中心のエディットでは、特に「わかる」の役割に配慮して編集しておりましたが、それ以外の役割も観点に入れて、編集したいと考えました。

レイアウト・デザインの基礎知識として押さえておきたい4つの基礎知識として、
1)構図の知識
2)色彩の知識
3)文字組の知識
4)紙面の構成要素の理解
を挙げられました。

1)「構図の知識」では、アクセントの効果の内容について、興味深いものがありました。
アクセントをつけるために《大・小》《粗・密》などの対比を誌面に取り入れるには、その対比の度合い(ジャンプ率)を大きくすることが大事だとのことでした。
《小さなもの》《まばらなもの》も、読者にインパクトを与えることを再確認できました。

2)「色彩の知識」では、その色から受ける連想を、言葉で認識することの面白さを教わりました。
たとえば、緑は、具体的な連想は「山、葉」、抽象的な連想は「自然・調和、平和、さわやか、すこやか」。
また、赤の具体的連想は「太陽、消防車、炎」、抽象的連想は「情熱・勝利、愛情・暑さ、怒り・爆発、危険」。
それぞれの色に連想するものを認識できれば、色が読者にメッセージを伝えるための道具になります。

3)「文字組の知識」では、書体の違いとその役割を理解することにより、読みやすくて正しく内容が伝わる誌面に仕上げられるようになります。
・多種類の書体を同一誌面に用い過ぎない
・ファミリー(ウエイト違い)を有効に活用する
・ウエイトの太い書体を小さな級数で用いない
などの観点を持ちながら、誌面レイアウト検討にあたりたいところです。

4)「紙面の構成要素の理解」は、組版設計するときに役立ちます。
たとえば、≪ノンブルは断ち切りからどの位置にどんなフォントでどれぐらいの大きさのものを配置したらよいか≫といったことを考えるときです。
編集者が主体的にデザイナーさんとやりとりし、組版設計を確定させることを、藤本氏は提案されていました。

このメルマガでは説明しにくいので省略しておりますが、今回の講座では、藤本氏の手によるレイアウトサンプルの事例が多数紹介されました。
構図の基本を解説するための事例となるものでしたが、そのラフがどれもいきいきとしていて、すばらしいものでした。

「構図のセオリーを体感するには、自分が面白いなと思えるデザインをノートに書いてみることですよ」
「そういうものを残しておいて、他の人に見せると驚かれたりします」
「デザインの意図の正解を追うのではなく、自分なりに追体験することが大切です」
と楽しそうに語られていたのが印象的でした。

藤本氏の編集講座は、同じテーマで何度も聴講してきましたが、毎回新しいネタが仕込まれていて、驚きと発見があります。
楽しそうに語るお姿が、そのまま編集者としてのお姿にも見え、大きな刺激を受けました。

今回の講座を聴講して、編集者として、いろんな方面の知識を日頃からアップデートし続けていきたいと思いました。

---
今回もエディット・東京オフィスの塚本鈴夫が、この編集講座のレポートを作成しております。
合わせてご覧いただければ幸いです。
<<< https://www.edit-jp.com/report/20240222/

〇「第7回/編集プロダクションフェア2024」に出展します。

 https://www.edit-jp.com/
 http://www.ajec.or.jp/productionfair2024/

◆「編集プロダクションフェア2024」カラーチラシ


3月21日(木)に日本編集制作協会(AJEC)主催・全国メディア制作連盟(MEPRO)共催の『第7回 編集プロダクションフェア2024』が開催されます。
「編集プロダクションフェア」は、編集の仕事を外部委託したい出版社、印刷会社、企業、団体様へ、編集プロダクションをもっと理解していただくためのイベントです。

エディットも、最近の実績作品を展示させていただき、仕事内容の紹介やお仕事のご相談をさせていただきます。
入場無料のイベントとなっておりますので、お気軽にお越しください。
皆様のご来場をお待ちしています。
https://www.edit-jp.com/

概要---
「第7回/編集プロダクションフェア2024」
http://www.ajec.or.jp/productionfair2024/
日時:2024年3月21日(木)14:00~18:00
会場:日本出版クラブホール・会議室
東京都千代田区神田神保町1-32
アクセス:GoogleMaps <https://maps.app.goo.gl/7aJzKYG2THRW5WFB8>

■エディットのお薦め記事

●なんとなく使っていませんか?括弧の種類と使い分け
 https://note.morisawa.co.jp/n/n2a43f2c09931
 例外もあると思いますが、基本・原則として学んでおきたいですね。良記事です。
●地理歴史科(歴史総合・地理総合・日本史探究・世界史探究・地理探究)の教科書採択数・占有率の変遷(2022-2024)
 https://r20115.hatenablog.com/entry/2024/03/05/183542
●GPT-4を上回る性能で画像と文章を同時に処理できる日本語対応マルチモーダルAI「Claude 3」がリリースされる
 https://gigazine.net/news/20240305-anthropic-claude-3-family/
 生成AIも用途によって使い分ける段階に入っていきそうです。
●中学1年生250人の半数超、理科の課題で同じ間違い…教諭の違和感の正体は生成AIの「誤答」
 https://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/kyoiku/news/20240306-OYT1T50080/
 こういう話は増えてくるでしょうね。
●東大に「トイレの研究」で推薦合格、変わる大学入試で重視されるのは個性
 https://toyokeizai.net/articles/-/737664
 苦手克服より得意を伸ばすことがこれから重要になるのでしょうか。
●計算アプリ「Photomath」、グーグルのアプリとして公式に公開
 https://japan.cnet.com/article/35216004/
 着実な進化を希望します。
━━━━━━━━━
本づくり、教材づくりでお困りのときはエディットへ
株式会社 エディット https://www.edit-jp.com/
企画ソリューション部/伊藤 隆
Email:t-ito@edit-jp.com
(名古屋本社)
〒451-0046 名古屋市西区牛島町5-2 名駅TKビル6F
phone:052-586-0631 fax:052-586-0632
(東京オフィス)
〒162-0822東京都新宿区下宮比町3-2
飯田橋スクエアビル6階A号室
phone:03-5225-0981 fax:03-3266-5072
(大阪オフィス)
〒541-0041 大阪市中央区北浜3-5-19
淀屋橋ホワイトビル612号
phone:06-6208-0501 fax:06-6208-0502
━━━━━━━━━
このメールは、エディットの関係者が名刺を頂戴した方に配信しています。
配信を希望される方は、メールにてご一報ください。