エディット通信(2025年/ 梅花号)
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■エディット通信(2025年/ 梅花号)
● AJECオンライン編集講座2024/11月講座「編集と著作権」を聴講して
昨年11月の編集講座聴講レポートをお送りいたします。
書籍を作るうえで、著作権は切り離せない重要な要素となります。
知識がないがために、著作権を知らず知らずのうちに侵害してしまう可能性もあります。
基礎的な知識、日々更新されている内容、編集者にとって注意しなければならない配慮など、学ぶことの多い講義でした。
ご一読いただけますと幸いです。
● AJECオンライン編集講座2024/11月講座
「編集と著作権」
講師:並木 瑛子(なみき・えいこ)氏
株式会社ベネッセコーポレーション・ものづくり推進本部
日時: 2024/11/28 (木)18:00~19:30
今回の講座は、編集者の視点で著作権に関わる内容をわかりやすく説明された貴重な機会でした。
コンプライアンスへの配慮・対応という視点で行われた本講座は、以下の3つのテーマに分類して話されました。
- 産業財産権について
- 著作権について
- 周辺の権利について
この中の二つめにある「著作権について」で話された《著作物の取り扱い》についてが、特に印象に残る内容でした。
日ごろ、教材制作をするエディットでは注意しなければならない観点となります。
既存コンテンツ(著作物)を利用して編集する場合の3つのリスクについて、以下に紹介します。
- 無許諾状態で制作進行してしまっていないか
- 許諾範囲を逸脱してしまっていないか
- 著作者人格権を侵してしまっていないか
1)についての注意点を、大学入試問題を利用した問題集を制作するときを例に、下記のように解説されました。
- その問題の出題者の著作権や編集著作権を忘れてはいけないということ。
- 写真・絵画・図表・グラフなども、たとえフリー素材を利用したとしても、関係者に一声かけて相談することが大事だということ。
- 素材文の著作権や素材文内に引用のある、詩歌や歌の歌詞についても、別途、著作者への配慮を忘れないこと。
これらの指摘は、著作権者への配慮を持つことによって回避できるものばかりだと感じました。
2)については、利用許諾を得る際に、提示した媒体内容と異なる範囲での利用が発生したときのことを想定した注意点となります。
たとえば、紙媒体の広告を、Webへの掲載に展開するとき、《このまま使用してよいのだろうか?》という注意が必要となります。
新聞社やライブラリーによる写真貸し出しについても、使用範囲が限定的であることを注意しておきたいと並木氏は言われていました。
3)については、大学入試問題を利用した問題集の制作において、写真・絵画の〈トリミング〉〈切り抜き〉〈色変更〉などをしているとき、《この使用の仕方で大丈夫だろうか?》という注意が必要となります。
《著作物の取り扱い》に関する、企画に合わせたコンテンツ(著作物)を発注する際の、発注者と著作者間で注意しなければならないこととして、
- 発注者が「買い取り」できているものは何かを確認すること。
→著作者が著作財産権を譲渡する契約書面になっているか?
→「所有権(=物)の譲渡であり、著作権は留保」と勘違いしていないか?
- 編集過程での修正・削除・加筆はできるかどうかを確認すること。
→法的に買い取ることのできない権利についての合意は大丈夫か?
→契約書面に「著作者人格権は、これを行使しないこととする」と明記しているか?
- その著作物は「盗用」にあたらないかを確認すること。
→パクリを防ぐ依頼・確認と、「依拠」についての目線合わせができているか?
→「依拠」とは、全く無関係に作成したものが〈偶然に似てしまった〉と言い返すことができず、明らかにその作品をベースにしていることが分かること。
を挙げられ、具体的な分かりやすい解説を聞くことができました。
並木氏の講座後、たくさんの方からの質問が寄せられ、的確に回答をされていました。
聴講者の方々も、著作権に関して日ごろから問題意識をもっていることのあらわれなのかもしれないと思いました。
とても充実した90分の講座でした。
■企画ソリューション部/伊藤隆の2月の出張予定
・2月13日・14日 東京出張
・2月20日・21日 東京出張
・2月27日・28日 東京出張
※この日程のなかで、打ち合わせ等の要件で訪問してほしいというご要望がありましたら、ご連絡をお待ちしております。
※他の日程の兼ね合いで、ご希望に添えない場合もあるかもしれませんが、リアル面談でやりとりをできますと嬉しい限りでございます。
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